消灯時間です

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今日のアドリブ 気ままに書きます

「出口のない海」横山秀夫

人間魚雷「回天」の搭乗員になった若者たちの物語。
数年前に広島・呉の大和ミュージアムで回天の実物を見た。
細くてのっぺりして、ひどく不気味な武器だった。
はじめて零戦の実物を見た時も胸に迫るものがあったが、回天にはそれに加えてまた別の、足がすくむようなおぞましさを感じた。
こんな愚の骨頂としか思えない代物に、まだ二十歳前後の若者たちがいったいどんな悲愴な覚悟を持って乗りこみ命を落としていったのか、迫りくる死の恐怖とどうやって向き合ったのか・・・平和にあぐらをかいたような生き方しかしてきていない私には、いくらその心中を推し量ろうとしてもまるで想像がつかなかった。

元甲子園球児の大学生が主人公。かつては広い青空の下、のびのびと白球を追いかけていた若者が、最後は暗い海の中、しかも足を伸ばすこともままならない狭い棺のような物体の中で人生を終えていかなければならなくなる。このギャップがとても悲しかった。普段本を読んで感情的になることはあまりないのだけれど、終盤の、主人公が恋人に宛てた手紙のくだりのところでは不覚にもハンカチを出動させてしまった。

調べたら2006年に映画化されているという。
キャストはええとなになに・・・?市川海老蔵伊勢谷友介塩谷瞬・・・。
これまたみごとに花の芸能界選りすぐりのやんちゃ者がそろったものだわね・・・( ̄▽ ̄;)
でもわるい映画ではなさそうだ。
機会があったら見てみようと思う。