消灯時間です

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今日のアドリブ 気ままに書きます

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「少年と犬」馳 星周


東日本大震災で飼い主を失ってしまった犬が、何かを探し求めるように東北の被災地から南に向かって歩き始める。道中、様々な人間との出会いがあり、その土地土地でつかの間彼らと飼い主とペットの関係になるのだが、どういうわけか彼(犬)の飼い主になる人間は訳ありの人物ばかり。彼らは一様に色々な悩みや秘密を抱え、社会の片隅で息を潜めるように生活しているが、どこからともなくふと自分の前に現れた犬との暮らしによって、荒んだ日々にいっときの安らぎを得られるようになる。しかし幸せな時間はそう長くは続かず、やがて彼らにはそれまでの生き様に等しいだけの結末がやってくる。それはときにとても残酷なかたちで訪れるが、犬は最後の瞬間まで彼らに寄りそう。そしてすべてを見届けたうえでまた次なる土地へ旅立っていく・・・という、とても不思議でかしこい犬のお話。

読んでたら犬が欲しくなった。犬のいる暮らしというのは案外いいものだ。ただ今はなかなか気軽にペットを飼える環境にないので我慢するしかないのだが、こういうときは昔、親戚の家で飼われていた「超凶暴白チワワ」のキバむき出しっぱなしの地獄の使者のような顔を思い出して衝動をやり過ごすことにしている。

まあでもやっぱり犬はかわいいな( ̄▽ ̄)

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photo:Tony Minguillon@Pixabay