消灯時間です

消灯時間です

今日のアドリブ 気ままに書きます

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

名作をちびちび読むシリーズ 「罪と罰」③

f:id:didoodah:20190526134114j:plain
photo: WokandapixPixabay

読書感想文の課題に悩める世の少年少女たちにおくります(うそ)

 

第二部 (5~7)あらすじ

各項ごとにちょっと長めにまとめております

第2部 ⑤

ラスコーリニコフの部屋に姿を現したのは、妹ドゥーニャの婚約者ピョートル・ペトローヴィチ・ルージンでした。最近田舎から上京してきた彼は、ラスコーリニコフにあいさつにやってきたのです。二人が顔を合わせるのはこれが初めてでした。しかしラスコーリニコフは、母の手紙を読んでからというものルージンに全く良い印象を抱いていません。事実ルージンは、ラスコーリニコフが想像していたとおりの、実に慇懃無礼で嫌味な男でした。おまけに自分の知識をひけらかしたくてたまらない彼は、自己紹介もそこそこにしたり顔で薄っぺらな講釈を垂れ、ラスコーリニコフだけでなくラズミーヒンまでをも辟易させてしまいます。冷ややかな空気を察しさすがにばつが悪くなったルージンは一旦は帰ろうとしますが、ラズミーヒンとゾシーモフが例の事件の話を始めたのを聞いて、二人の会話に口をはさんできます。しかしこれにはついにラスコーリニコフが激昂。ルージンに対し侮蔑の言葉を浴びせ、彼を部屋から追い出してしまいます。
ラスコーリニコフの興奮はおさまりません。一人にしてくれとわめき始めたため、ゾシーモフとラズミーヒンはいったん部屋を出ることにします。
部屋を出た二人は、今回のことでラスコーリニコフの容態がまた悪化しやしないかと心配しますが、実は彼らは二人ともあることに気づいていました。ラスコーリニコフはたいがいの場合じっと黙って話を聞いているのですが、老婆殺しの話だけにはなぜか過敏に反応を示すのです・・・。

第2部 ⑥

部屋に一人きりになったラスコーリニコフは、おもむろに服を着替え、テーブルの上を現金をつかむとこっそり部屋を抜け出し、まだ体力の戻りきらない体で夜の街へ飛び出しました。彼は精神の混乱から一種のそう状態のような状況にありました。誰彼かまわず声をかけたり、商売女を冷やかしたりしながら、彼はある一軒の飲食店へと入ります。そこには偶然あのザミョートフがいました。
ラスコーリニコフに気づいたザミョートフは親しげに声をかけてきますが、そんな彼に対しラスコーリニコフは終始挑発的な態度をとります。おまけに自分から老婆殺しの話を持ち出して「僕が犯人だったらどうする?」などと言い始めたものですから、ザミョートフは驚きます。
ラスコーリニコフの尋常ならざる様子を見て、最初はのうちは「熱で気がふれたのかもしれない」と適当に対応していたザミョートフでしたが、ラスコーリニコフが話したこと反芻するうちに、事件に対する考え方が変わってきます。
店を出ようとしたラスコーリニコフは入口でばったりラズミーヒンと遇いました。ラズミーヒンは突然姿を消したラスコーリニコフのことを必死に探していたのです。ラズミーヒンは勝手に病床を抜け出したラスコーリニコフを激しく叱責します。しかしラスコーリニコフは、これ以上自分に関わらないでほしいとラズミーヒンに訣別の言葉を投げつけその場を立ち去ろうとします。しかしラズミーヒンも引き下がりません。「今の君に必要なのは人の輪に交わることだ」と、今夜自宅で開く引っ越し祝いに来るよう、ラスコーリニコフを誘います。
ラズミーヒンと別れた後、一度は警察署に向かおうとしたラスコーリニコフでしたが、気がつくとなぜか事件現場となった建物の前に立っていました。何かに導かれるように中へと入っていった彼は、老婆の暮らしていた部屋に足を踏み入れます。内部はすっかり模様替えされ、事件の痕跡は跡形もなく消し去られていました。中には壁紙の貼り直し作業をしている職人が二人いて、ちょうど仕事終わりで帰り支度を始めているところでしたが、部外者が室内をうろついているのに気づいて何か用か?とラスコーリニコフに声をかけます。しかしラスコーリニコフは「部屋を借りたいので見に来た」「血は洗ったのか?ここで人が殺され一面血の海だったんだ」などとおかしなことばかり言うので職人たちは気味が悪くなります。しかし最終的にラスコーリニコフは狂人とみなされ、庭番らによって敷地内から追い払われます。
通りに出たラスコーリニコフは道の先に人だかりができているのを見ました。彼はもう警察へ行く覚悟を決めていましたが、何事が起きているのか気になってその人ごみの方へと向かって歩いていきました。

第2部 ⑦

人だかりの原因は交通事故でした。往来で酔っ払いが馬車に轢かれ、野次馬が集まってきていたのです。被害者の男は重傷を負いすでに瀕死の状態でしたが、ラスコーリニコフはその被害者の顔を見て驚きます。倒れていたのはなんとあの酒場で知り合った飲んだくれ男のマルメラードフだったのです。
ラスコーリニコフは、自分の知り合いだとそばにいた警察官に名乗り出ると、一刻も早く彼を自宅に運んでくれるよう頼み、自ら道案内になってマルメラードフを自宅へと運びます。
マルメラードフを部屋に運びこんだラスコーリニコフは、費用は自分が持つと言って医者を呼ばせますが、マルメラードフの容態はすでに手の施しようがない状態でした。続いて司祭が呼ばれ、最後に家族と離れて暮らしているマルメラードフの娘ソーニャが駆けつけてきました。働かない父に代わって家族を養うために売春婦になったというあの娘です。
虫の息のマルメラードフは、ソーニャのことが最初のうち誰かわかっていないようでした。けばけばしい衣装を身に着けた娘を今まで一度も見たことがなかったからです。しかしふいにそれが自分の娘だとわかると「許してくれ!」と叫び、そのままソーニャの腕の中で息をひきとります。
遺された妻カテリーナ・イワノーヴナの夫への恨み節はとまりません。夫の遺体を前に取り乱す彼女に、ラスコーリニコフは何か役に立ちたいと言って持ち金のすべてを渡し、部屋を去ります。
去り際、ラスコーリニコフは、事故処理の関係で駆けつけてきた警察署長のニコージム・フォミッチと遭遇します。しかしラスコーリニコフはあいさつ程度の言葉を交わしだけで、彼の前を立ち去ります。そのときラスコーリニコフの中にはまた新たな、「生」に対する貪欲な感情が生まれていました。それは死刑宣告を受けた人が思いがけなく特赦を申し渡されたときの感じに似ていました。
ラスコーリニコフは自分の後を追いかけてきたソーニャの妹ポーレチカに自分の連絡先を教えると、そのまま通りに出てラズミーヒンの新居へ向かいました。
ラズミーヒンはラスコーリニコフの訪問を大歓迎しました。しかしラスコーリニコフ疲労を理由に中に入りたがらなかったので、彼を家まで送っていくことにします。
家までの道中、少し酔っていたラズミーヒンはつい口が軽くなり、ゾシーモフが医者としての目線でラスコーリニコフの精神状態にひどく関心を寄せていること、ラスコーリニコフが警察署で卒倒したり、やけに例の事件にこだわっていたことから、警察署の連中には口にはできない”ある疑念”が生まれていたこと、などをラスコーリニコフに話してしまいます。ラスコーリニコフは警察署で倒れたのはペンキの臭いで気分が悪くなったせいだとごまかします。
二人が下宿屋に着くと、ラスコーリニコフの部屋に灯りがともっていました。郷里から出てきた母と妹が彼の帰りを待っていたのです。二人はラスコーリニコフの姿を見たとたん、我を忘れたような喜びで彼を迎えます。ナスターシヤから病気の体で行方不明になったと聞かされ心配していたからです。しかしラスコーリニコフは母と妹の顔をみたとたんまたもや気を失って倒れてしまいました。


第二部 (5~7)ひとくち感想

複雑な心理描写が多く、大変読みづらかった第二部をなんとか乗り越えました・・・が、ストーリー自体の筋は依然面白く、目が離せません。ひと休憩して、次は第三部です・・・。

名作をちびちび読むシリーズ 「罪と罰」④

 

手塚治虫(著) 電子コミック(まんが)