消灯時間です

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「犬神家の一族」横溝正史

横溝正史金田一耕助シリーズより一冊。

映画版(市川崑監督の1976年版)は好きで何度か見ているのだけど、原作を読むのはこれが初めて。金田一耕助は東北生まれで、スキーが得意。かの有名な映画のワンシーン、湖面にぶっ刺さる、衝撃的な犬神スケキヨの逆さV字開脚遺体は、ビジュアル的に奇をてらったのかなと思っていたら、ちゃんと意味があってあんなことになってるのだった。でもって、佐清(スケキヨ)という、ずいぶんけったいな名前も、きっちり計算された上でネーミングされているらしいこともわかった。さらに、登場人物の一人である盲目の琴のお師匠さまは、映画では岸田今日子さまが演じていて、あまり出番のないワンポイントリリーフ的な存在だったけれど、原作の方では、実はもっと重要な立ち位置の人物だったので驚いた・・・とか、いろいろ新しい発見があって面白かった 。

原作を読んだら、ひさびさに映画が見たくなった。ラッキーなことに、現在、Amazonプライムの会員特典で見放題になっていたのでさっそく鑑賞。できればこのまま置いといてほしい!

何度もドラマや映画になっている作品だが、やっぱりこのときのキャスティングが大好きだ。抜群の安定感石坂金田一、圧巻のフルムーン高峰三枝子さま、ヒロインを演じた島田陽子も、後年の迷走が信じられないくらいにこの頃は輝きを放っておられる。旅館の女中役の坂口良子もコミカルで可愛らしいし、ちょっぴりやさぐれ風な犬神三姉妹の三女・梅子を演じる、草笛光子さまの自然な演技も、個人的には気に入りだ。

それにしても・・・
田舎の名門旧家で事件発生、泣く子も黙るドロドロ人物相関図、犯人は奥様、いつも後手後手に立ち回る名(?)探偵・金田一・・・とたいがいパターンは決まっているのに、このシリーズについついこうも魅かれるのはなぜかしら?愛すべき作品群である。

(#6「犬神家の一族」(横溝正史)finish reading: 2018/2/8)