消灯時間です

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今日のアドリブ 気ままに書きます

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世にも奇妙な物語

まもなくまた新作が放送されるようですが、やはり放送開始時から見ている者の一人としては、懐かしさもてつだって、初期の頃の作品に思いを馳せずにはいられない。
そういうわけで、今でもたまに無性に見たくなる、90年代前半に放送された、好きだった3作品について書き記しておこうと思います。

昔みたい

#STORY

デパートのバーゲンセールで、妻子の買い物に付き合わされていた男(竹脇無我)は、ふと目にした絵画展の広告に強烈な懐かしさをおぼえ、家族と別れて一人絵画展の会場へ向かう。男はその会場で、以前恋人だった女(いしだあゆみ)と偶然再会。十年ぶりに旧交を温める。聞けば女の方もすでに結婚しているらしく、話題は互いの家族のことにも及んだが、平々凡々な毎日に少々食傷気味の男は、せっかくだからもっと楽しい話がしたいと話題を変えたがる。そんな男に女は目を閉じるように言い、十年前に戻れるという魔法をかけるしぐさをしてみせた。すると・・・。


1991年放送の作品。
小泉八雲あたりの作品に出てきそうな、古典的怪談風のストーリー。 古ぼけた洋館風のアパートが出てきたり、ヨーロッパの絵画(エゴン・シーレの「哀しみの女」という絵。いしだあゆみにそっくりでビビる)を効果的に使うなど、全体的にクラシカルな情緒が漂って、観終わった後も、忘れがたい余韻が残ります。怖いモードに入っているときとそうでないときの、いしだあゆみの表情のオンオフの切り替え具合が秀逸。心の病気で長い闘病生活に入る前の、ステキなおじさまだった竹脇無我氏の元気なお姿が拝見できる、おそらく年代的にはこのあたりの作品が最後ぐらいであったかもしれません。いろんな意味で見どころ満載。個人的にはいちばん好きな作品。

だれかに似た人

#STORY

出勤前に病院に立ち寄った会社員の女性(斉藤慶子)は、自分の病気が思いのほか軽かったことに安堵し、出社前に一息入れようと、道すがらにある、とある喫茶店に入る。女性はその店で、海外赴任でアメリカにいるはずの会社の同僚を見かけ、驚いて声をかけるが、声が届かなかったのか、同僚はプイと足早に店を出ていってしまう。女性は他人のそら似だろうと思うことにしたが、出社するなり、その同僚が赴任先で事故死したという訃報に接する。その後も女性は何度かその店に立ち寄ったが、やはり同じようなことが立て続けに起こり、しだいに不安をおぼえるようになる。あの店で見かけた人がなぜか必ず死ぬ…。女性は、意を決して、再びその店を訪ねてみることにした。しかし、不思議とその日は何も起こらず…。


1990年放送の作品。
どんでん返しに次ぐどんでん返しが印象的な、初期の傑作。
30年近い年月が経とうとしている今でも、入口に装飾ミラーが施されているような飲食店に入ると、この話を思い出してちょっとだけ緊張が走ります。
今は亡き、及川ヒロオが演じる不気味な喫茶店のマスターも忘れられない。
原作は阿刀田高の同名のショート・ショート。

こちらに収録あり


隣の声

#STORY

長年交際していた恋人に、ある日突然、一方的に別れを告げられてしまったミサコ(松下由樹)。すっかり傷心のミサコは、二人が好きだったユーミン[松任谷由実]のレコードを繰り返しかけては、夜な夜な泣き暮れる日々を送っていた。ある夜、いつものようにミサコがレコードを聴いていると、隣室の方から激しく壁を揺さぶられるような気配がし、その振動で、壁際に置いてあった物がプレーヤーの上に倒れ、レコードの盤面にひどい傷がついてしまう。慌ててレコードをかけ直すミサコだったが、大切にしていたレコードは音飛びを起こすようになり、まともに聞けないものになってしまっていた。翌朝、ミサコは、恋人への未練を断ち切るかのように、そのレコードを自宅マンションのごみ置き場に捨てる。しかしその日以来、隣室から、ノイズだらけのユーミンの曲が毎晩聴こえてくるようになる。


1993年放送の作品。
コワい。とにかくコワいのよ。ユーミンの歌が声が・・・( ̄ロ ̄lll)
ストーリー自体はいたってシンプルですが、レコードの回転数を上げ下げして不気味に歪んだユーミンの曲が、作中、ほぼずーっと流れ続け、この音の演出がとても恐ろしくて、ひさびさに背筋が凍る一作だったと記憶しています。音の効果は、時に視覚にも勝るものだということを実感。ちなみにドラマの中で使われるユーミンの曲は「翳りゆく部屋」でした。

お題「もう一度見たいドラマ」